経済学に関する知識を身につけ、経済学を基盤として様々な事象に対する的確な判断のための論理的分析ができるように開発経済論、計量経済分析等の科目を開設する。
皆さんがこのパンフレットに目を通すわずか10分たらずの間に、世界では260人以上の乳幼児が栄養失調や貧困のために命を失っているという事実があります。
その大半は開発途上国の乳幼児です。このような現実を何とかしたいと考える人は少なくないでしょう。しかし、情熱だけで現実を変えるのは困難です。
本プログラムは、情熱ある人材に経済学という道具を提供することを目的としています。経済学の知識は国際機関、援助機関、NGO、コンサルティング会社、調査研究機関等で役立ち、また、開発・国際協力以外の分野でも強力な武器です。
もちろん、現実の諸問題が常に経済学だけで解決できるわけではありません。私たちは、他のプログラムと相互浸透的なカリキュラムを構築し、経済学を共通の土台として、法学、政治学、国際関係論、そして地域研究などを横断する学際的な教育・研究活動を行っています。多様な分野を知ってこそ経済学への理解も深まり、実践に活用することができるからです。
国際協力分野の仕事につこうとするならば、開発過程に特有の政治・経済・社会状況などに通じているだけでなく、経済学全般の深い知識をもたなければなりません。経済学の理論的フレームワークと、その実務への応用能力を涵養するため、以下のような特色をもつカリキュラムを展開しています。
共通のツールとしての経済学を初歩から国際的に通用するレベルまで教育します。
経済学部出身者に限らず、多様なバックグラウンドを持つ人材に門戸を開いています。
上記のふたつを前提としたカリキュラムを用意しています。学部レベルの内容から始め、徐々に難易度を高めていく構成になっています。
国際協力に関する政策やプロジェクトの立案・評価に関する応用科目を広く提供し、経済学の分析の中でも、実証的な手法の教育を重視しています。
国内外の開発・金融機関の現場で働く実務家による講義をとり入れています。
実習の場として、開発途上国でのフィールドワークの機会をできるだけ提供するようにしています。
髙橋 新吾 TAKAHASHI Shingo 教授 Professor
途上国を訪れると様々な問題を目にします。しかし、その裏には複雑な利害関係がある事も多く、単純ではない事が常です。問題を解決するには、複雑な問題の骨子を理解し、政策を立案し、関係者を説得し、政策を実行する能力が必要です。そのプロセスで経済理論や計量経済学(データ分析)の知識が大いに役立ちます。多くの学生は、途上国の発展に貢献したいという情熱を持って、本学に入学します。本プログラムは、経済学を基礎から発展まで教える事で、皆様の情熱が、実際の政策となって実を結ぶまでの橋渡し役を担って行きたいと思います。