本研究科では、阪神・淡路大震災被災地の国立大学として、減災・復興の課題を多角的に究明するため、社会科学系だけではなく、工学分野、保健学分野と連携した防災に特化したカリキュラムを提供しています。このカリキュラムでは、被災地でのフィールドワークを通じた現場での学びも重視しています。また、国際協力機構(JICA)や国連機関などの国内外の防災研究機関や被災地大学との連携によって、防災に関する国際的な視座の獲得を目指しています。
本研究科では、国際機関で働きたいという方をサポートするため、国際機関の実務家による授業科目「国際公務員養成論(Careers in International Organizations)」「国際公務員法(Law of the International Civil Service)」、「国際組織運営論(International Organization Management)」を提供しています。また、英文履歴書やカバーレター(履歴書を補完する送付状)の書き方をはじめ、国際機関への応募のために必要となる知識習得を目指したキャリアセミナーを定期的に開催するとともに、国際機関でのインターンシップの参加を支援しています(本研究科では、要件を満たしたインターンシップを学位取得に必要な単位として認定しています)。2024年度より、グローバル・ネットワーク・プログラムによる支援が加わったことによって、さらに強力に国際機関で働くことを希望する皆さんをサポートします。
本研究科を中核として、神戸大学と復旦大学(中国)、高麗大学校(韓国)、チュラロンコン大学(タイ)、ラオス国立大学(ラオス)と連携し、グローバルに活躍するリスクマネジメント専門家を養成する、異分野共創による共同教育プログラムです。ダブルディグリー、交換留学、短期研修を提供するとともに、英語科目「リスクマネジメント(Risk Management)」では、連携大学の教員や実務家が講師として参加する実践的な授業内容を提供しています。また、定期的に国内外のリスクマネジメント専門家を招聘したリスクマネジメント・セミナーを開催し、さまざまな課題について議論を行う機会を提供しています。さらに、毎年、連携大学間で共同国際シンポジウムを開催し、リスクマネジメントに関する講演、学生・同窓生による研究発表などを通して、交流を図っています。
博士課程後期課程の学生を対象に、国際協力研究科と国際文化学研究科が海外大学院、国際援助機関、途上国政府機関と連携し、「グローバルネットワーク型共同教育研究プログラム」を構築・発展させることでチーム型教育研究指導を実現し、国際協力の最前線で活躍できる「価値共創高度人材」を養成することを目的としています。具体的なキャリアパスとして、世界レベルの研究能力・業務遂行能力・政策立案能力を身につけた、①研究者、②国際公務員、③途上国の上級行政官を輩出し、持続可能な開発と新たな価値共創の実現を目指します。
本研究科では、日本初のオンライン国際教育プラットフォーム「Japan Virtual Campus(JV-Campus)」において、オンデマンド授業パッケージ「平和のための国際開発協力」を公開しています。
この授業パッケージは、「グローバル・ガバナンスと国際法」「政治と法整備」「開発経済」「人間開発」「国際防災」の5科目から構成され、さまざまな分野の教員がそれぞれの視点から国際開発・国際協力を通じた平和の実現に関わる講義を提供しています。この授業パッケージを通じて、日本の開発経験や国際協力経験についても理解を深めることができるようになっています。